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コラム1〜不貞慰謝料請求(不倫の慰謝料請求)の問い合わせが増えている??〜

最近、不倫の慰謝料に関する問い合わせが増えています。なぜ、不倫に関する問い合わせが増えているのでしょうか。

 

この記事では、不倫の慰謝料の問い合わせが増えている原因を探るとともに、どのようなケースが多いのかについて、解説していきます。

 

1 不倫の慰謝料とは?

不倫の慰謝料とは、簡単にいうと、一方の配偶者に不倫をされた他方配偶者が、不倫をされたことで受けた精神的苦痛に伴う賠償金のことを言います。「不貞慰謝料」と呼ばれることもあります。

不貞慰謝料を請求できる相手とは、①不倫をした配偶者、又は②配偶者と不倫をした相手、あるいは③その両方となります。

 

2 問い合わせが増えている原因

近年、弁護士として不貞慰謝料の相談を受ける機会がとても多いです。その理由として考えられるのは、インターネットやSNS、ソーシャルゲームやマッチングアプリの発展があります。一昔前では、「飲み屋で知り合った」「同級生と同窓会で再会した」「職場で知り合った」「社会人サークルで知り合った」といった原因で不倫関係になることがありました。しかし、近年では、インターネットが急速に普及し、人と知り合うことが昔に比べると簡単になりました。そのため、より出会い方が多様化しているのです。

また、インターネットは、携帯電話やスマートフォンといった道具さえあれば利用することができます。そのため、手軽に利用できるというのも特徴として言えるでしょう。加えて、携帯電話やスマートフォンは、普通はそれを所持する人が見ることが多く、配偶者に見られることはなかなかないのではないでしょうか。そのため、不倫相手とこっそり連絡を取れるという点も、不倫の増加につながる一因と考えられます。

当事務所がこれまでご相談やご依頼をいただく中でも、知り合った経緯が多様化していることに驚きます。他人と出会う経緯が多様化するにつれて、他人と出会う可能性も増えているといえるでしょう。

 

3 特に多い問い合わせ

不貞慰謝料の相談は、大きく分けて2つに分けられます。

一つが、不倫相手に不貞慰謝料を請求したいという問い合わせです。夫がスマートフォンの画面を開いたまま寝ていたところ、不倫相手女性から「愛してる」「次、いつ会える?」「この前のホテル、良かった。」というメッセージが届いたのを見てしまった、夫を問い詰めたら不倫を認めたので、不倫相手に慰謝料を請求したい、といった相談が典型例です。

このようなケースでは、弁護士は、まずは不倫が発覚した経緯や時期、不倫の期間や回数、不倫の結果離婚するのか等を踏まえて見通しを立てていきます。不貞慰謝料を不倫相手に請求する場合、弁護士には依頼しない方もいます。しかし、不倫相手に対して思うように請求するのはなかなか難しいのが現実です。「お金がない」「あなたの配偶者が悪い」「弁護士を通して連絡してくれ」「裁判にしてくれるなら支払う」と言われてしまい、泣き寝入りをしてしまう方も少なくないようです。中には不倫相手から「不倫をされる方が悪い」と言われてしまい、メンタルを壊してしまった方もいらっしゃいます。そのため、不貞慰謝料を請求する場合には、弁護士に依頼した方が良いでしょう。

もう一つが、逆の立場で、不貞慰謝料を減額したいという問い合わせです。例えば、不倫相手女性と喧嘩して別れた後、しばらくして不倫相手の夫が弁護士を通して慰謝料を請求してきた事例です。こうしたケースの場合、なるべく裁判にはせず、示談交渉で解決を希望する方が多いので、弁護士に依頼するメリットがとても大きいと考えられます。また、不貞慰謝料の減額は、法的に行う必要があります。無茶な減額を求めると「反省していない」と思われて、相手を余計に怒らせてしまうこともあるようです。

不貞慰謝料の問い合わせとして、「相談だけ希望する。自分で進めたいので、アドバイスだけ欲しい。」という方が多いのも傾向としてあります。しかしながら、法律相談の時間は30分から1時間程度と、限られた法律相談の中で最適なアドバイスをすることは極めて困難です。また、弁護士がアドバイスする場合、「自分で交渉する」方法をアドバイスすることには限界があります。法律相談では、弁護士に依頼される方を対象としつつ、どのような証拠に基づきどのような主張をするのが良いか、という観点からアドバイスすることになります。自分で交渉する場合、すでに述べたとおりさまざまなデメリットがあります。そのため、法律相談では、自分で交渉するためのアドバイスはあまり受けられないと思った方が良いかもしれません。

 

4 まとめ

不貞慰謝料の問題は、現在もインターネット等を通じて増えていることについて解説してきました。次回では、不貞慰謝料がどのくらいの金額になるのかという観点から考察していきましょう。